はじめに
写真撮影を再開して、いろいろな場所に出掛けるようになりました。その中でも、いにしえを感じられる場所が好きです。日本古来から残っているものを写真に収める事が面白いなぁと思うようになりました。
あれこれと見ていくうちに、そのいにしえから伝わるものや雰囲気が神社仏閣に集約されていっている気がするようになりました。当然のように、それらに興味もわいてきました。もちろん神社仏閣以外にも興味を引かれる土地が、この日本には沢山残っています。また、その頃に土門拳の「古寺巡礼」をもっとしっかりと見るようになり、その事も寺に引かれるようになった要因の一つだと思います。
日本人には、絶やしていはいけない日本独自の風習や文化というものがあると思っています。今の日本が国際的に弱いのは、日本の文化を捨ててしまったからなのではないかと思ったりもします。第二次大戦以降の高度経済成長期に、そのような日本独自の文化は忘れ去られていってしまったのではないでしょうか。その事が良かったのか、悪かったのかは、わかりません。けれど、自分なりにわかる限りの日本の伝統を知っておきたくなりました。温故知新という感じです。
日本には遥か昔の千年以上も前からこのような素晴らしい古刹・名刹が存在しています。仏教があったからこそ、それらが現存しているわけです。日本独自の信仰によって守られてきたものを自分の目で見る事が出来る。その時代背景や建立当時の事を想像しながら、巡ってみたいと思うようになってきました。何事も自分の目で実際に見てみないと納得しないタチですので、出来るだけ多くの古刹・名刹を見てまわりたいと思うようになりました。
僕は元々宗教には興味がありませんが、寺には当然仏教がつきものです。仏教もいろいろな宗派があり、混沌としています。また、昔は生き延びる為に権力と結びついたり、実際に権力を握ってきたり、宗教としては怪しい事も史実であると思います。どちらにしろ、時代時代に救いを求めて派生した宗教は、現代にはあわない、古くさいと思える事もあります。が、宗教自体を全否定しているわけではなくて、盲目的に信仰するのはどうなんだろう?と思うのです。未だに宗教に関しては懐疑的な意見を持っています。
けれども宗教を抜きに考えても、寺や神社には、独特の空気が流れていると感じる事が多々あります。とても厳かで、まるでこの中だけ別の時間で進んでいるのではないかと思う事もあります。仏教が伝来してから千年以上も経っているわけですが、長い歴史の中にも残っているもの、無くなってしまったものがあるわけです。また、天変地異(戦国の世では戦火等)で現存しているものが崩壊してしまう可能性もあります。唯一無二の存在ですので、無くなってしまったら二度と見る事は出来ないわけです。それだけ貴重なものが日本には沢山存在するのです。また、その土地土地で細かな違いが生じているという事も、唯一無二ではないでしょうか。
そこで、五木寛之氏の「百寺巡礼」を元にして、日本の古刹巡りを記録していこうと思っています。
最終的な目標としては、自分なりに感じたもの、感じたままに撮った写真。また朱印などを集めた自分の為の記録。自分の為の辞典を目指そうと思います。サラリーマンの宿命で土日と祝日のみの巡礼ですが、少しずつ続けていきたいと考えています。
なるべく理解した事や調べた事などを記録しようと思いますが、なにぶん作家でもない学者でもない素人の趣味の範疇ですので間違っていたら指摘してもらえるとありがたいです。
先人には敬意を払い、厳かに、かつ大胆に。少しずつ、少しずつ。
おそれいります。
2009年6月 moto-jr.