コンピュータについて
初めてコンピュータというものを見たのは、中学二年生の頃でした。その頃、海外短波を聞く事を趣味としていたので、ちょくちょく秋葉原に通っていました。そこで見かけたのが、小学生がインベーダーゲームをやっているところでした。このコンピュータがあれば、自宅でお金がかからずにゲームが出来るのか?とその程度の認識が最初でした。その時のコンピュータはワンボードのマイコンでキーボードなどは付いていなくて、16進入力用のテンキーが付いているだけでした。
それでも、全く未知の世界に足を踏み入れてみたくなったきっかけになる、とてもドキドキした経験でした。
何にでも興味を持つととことん調べてみないと気が済まない性格ですのでとりあえず、コンピュータ雑誌を読み始めました。その当時には、何冊かの月刊誌が発刊されていて、I/Oとか、ベーシックマガジン、Loginなどを読みあさっていました。
毎週末、親から昼飯代として500円もらい、秋葉原通いが始まりました。休みになると、秋葉原に行くか、映画を見る。そんな生活をしていました。その当時は、コンピュータはオモチャのような扱いで、どこのお店でも自由に使う事が出来ました。また、月刊誌には色々なプログラムリストが載っていて、開店から閉店までずっとリストを打ち込んでいるという事もしていました。打ち込んだプログラムは、自分で用意したカセットテープに保存していて、そのソフトを呼び出して遊んだりしていました。こういう事が普通だったわけです。同じようにカセットテープを持って徘徊していた仲間も出来ました。
よくいじっていたのが、シャープのMZ-80Bというコンピュータでした。小さなグリーンのブラウン管とカセットテープが一体になったすごいやつでした。当時は色々なメーカーから独自仕様のコンピュータがたくさん出ていました。その中でも、アップルIIは別格で、カセットテープの時代に5インチのフロッピーディスクが付いていました。
コンピュータを購入する為に貯金を始めましたが、中学生が貯めたお金で買えるような金額ではなく、すぐに挫折しました。欲しくて欲しくて、寝ても覚めてもコンピュータでした。
丁度、父親が入院する事になり、コンピュータを購入してくれるというラッキーな(父親が入院するのにラッキーというのは不謹慎ですが)事になりました。どのコンピュータを購入するかと考えましたが、アップルを買うには敷居が高すぎました。ゲーム自体はとても魅力的だったのですが、購入理由を勉強に使うという事にしていたので、ゲームばかりしているわけにはいかなかったのです。シャープのマシンも考えました。最後までシャープにしようと思っていました。しかし、仲良しになった店員さんが働いていたのは、今はなきビットイン(NECのショップ)でしたので、結局選んだのは、当時の最高峰PC-8801というコンピュータでした。
それからというもの、雑誌に載っていたプログラムリストを打ち込んで遊んでみたり、プログラムを書いてみたりして遊んでいました。今のコンピュータと比べると考えられないようなスペックでしたがとても楽しく、満足でした。
そういう事をして遊んでいましたが、高校時代からバイクへと興味が移り、自然とコンピュータからは離れていきました。
それでもたまに見かけるコンピュータはどんどん性能もあがり、僕が興味を持ち始めた頃とは全く比較にならない位のメジャーな物になりました。いつの間にか、マウスと言う入力補助装置がついて、絵が描けるようになっていましたし、カラフルな画面がとても素晴らしかった事を今でも思い出します。それまで絵を描くには、プログラムで線を引いたり、点を打ったりして描いていたのに、とても信じられませんでした。まさか漢字も表示出来なかったコンピュータがビジネスに使用されるとは思ってもいませんでした。
高校では、コンピュータの授業をとってみました。基礎から始めるので、ばからしくて聞いていられませんでした。ネットワークに繋がった端末では、先生の作ったキーボード練習ソフトで、ひたすらキー入力でした。良い成績を残すと、ベストテンに名前を残せるシステムでした。僕は、プログラムを改造し、キーボードを打たなくてもキー入力されたようにしてしまいました。100パーセント正解ではあやしまれるので、スペースキーを打った時だけ間違えるようにしました。当然、ベストテンは僕の名前でいっぱいになりました。
コンピュータを再開したのは、マッキントッシュがリーズナブルな値段になりつつあったLCシリーズの出始めでした。それまで、ビデオカメラを購入しアナログでビデオ編集をやっていたので、デジタルでビデオ編集をしてみたくなったわけです。しかし、まだまだ早すぎました。クオリティ的には、全く使い物になりませんでした。
そこで、パソコン通信を始めました。前から興味がなかったわけではないのですが、電話代やら何やらは、今と比べ物にならないくらいに高いものでした。その点もかなりリーズナブルになりましたが、まだまだ電話代が高い時代でした。(当然、テレホーダイなんてありませんでした。)ニフティサーブ、アスキーネットや、沢山の草の根BBSなどで、情報収集をしていました。
時代はインターネットとなり、苦労しながらも接続するようになりました。今までのパソコン通信はクローズドの世界でしたが、インターネットは全世界が相手で、視野や情報も飛躍的に大きくなりました。丁度、インターネットマガジンが創刊された頃で、今みたいにドキュメントがあるわけではなかったので、この雑誌がバイブルでした。それ以外は英語のドキュメントを読みあさりました。この頃は、ダークなアングラにハマっていました。ベッコウアメやリムネットで、ホームページを作成してみたり、色々と遊んでいました。
その後は、ご存知のようにインターネットはインフラとして欠かす事の出来ない大きな存在になりました。僕も、いつの間にかインターネット上での開発の仕事をするようになり、現在に至っています。

